2010年10月11日

イマジンあにめ3 没ネタ(2)

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リュウタロスのたんじょうび

○ イマジンの家・全景(デイ)

○ 同内・リュウの部屋(デイ)
      『お姫様の誕生日』みたいな絵本を読んでいるリュウ。
リュウ「世界一の誕生日になりましたとさ。めでたし、めでたし」
      本を閉じて溜め息をつくリュウ。
リュウ「いいなあ、お誕生日。僕もやりたいなあ……」

○ 同・廊下
      ドアの外では、モモ、キンが聞いていた。
キン 「リュウタの奴、不憫やな……誕生日くらいやったらな」
モモ 「誕生日って何だよ」
キン 「生まれた日に決まっとるやないか」
モモ 「だから何だよ、生まれた日にやることって」
キン 「………」
モモ・キン「生まれた日にやること、やること……」
      と、本を調べだす。
キン 「あったで!」
      とキンが掲げたのは『家庭の医学』。

○ 同・リュウの部屋
      リュウを逆さにつるし上げて尻をひっぱたくモモ。
リュウ「な、何すんの! ぎゃー」
モモ 「よし、泣いたぜ! 第一段階クリア」
キン 「次は産湯や!」
      と、リュウを煮えたぎるタライのお湯につけた。
リュウ「あ、熱! ぶくぶくぶく」
モモ 「さらにすかさずヘソの緒をぶった切る! 行くぜ! 俺の必殺技、パート……」
      と、飛ばした剣先がハリセン(?)に叩き落とされ、モモの頭に刺さる。
モモ 「つー!」
      ハリセンの主はウラだった。
ウラ 「ありえないでしょ。いくら僕たちに誕生日設定がないからって、誕生日自体を知らないなんて」
キン 「すまん、ちょっと作りすぎた」
モモ 「でもよ、設定がねーのはホントなんだからよ」
ウラ 「設定がなければ、僕たちが決めたらいいじゃない」
モモ 「お、カメ公にしては珍しくいいこと言うぜ」
ウラ 「たとえば、オンエアベースで決めたらどう? 良太郎に憑いた日を誕生日ってことにするの」
      ウラ、放送リストを見ながら、
ウラ 「僕の初登場は4話だけど、良太郎に憑いたのは5話だから、2月25日」
モモ 「俺は1話だから……」
ウラ 「1月28日」
キン 「俺は一〇話やな」
ウラ 「4月1日。お似合いだね、キンちゃん」
キン 「どういう意味や」
リュウ「ねー、僕は僕は?」
      と、茹であがったリュウがタライから復活した。
ウラ 「リュウタね、リュウタは……」
      シーンとなる一同。
キン 「なんや、知らん間に憑いてたいう設定やったな」
モモ 「カメ公より前……いや後か?」
ウラ 「2月あたりから3月にかけて的な感じじゃない、だいたい」
リュウ「ヤだよ! 誕生日がだいたいなんて!」
モモ 「カメ公の言うことはこれだからよ。素直に初登場ん時にしときゃスッキリすんだろうが」
ウラ 「そう単純に行かないの。厳密にはオープニングに出てるから」
キン 「ほな、中の人の誕生日に合わせるんはどうや」
モモ 「中の人ってお前……」
リュウ「えー、おぐらさん? それともスズ?」
キン 「好きな方選んだらええやん」
ウラ 「好きな方か。リュウタはイベントだと女の子が入ってたりするんだよね。可愛いよねぇ、ATCのあの子。誕生日聞いてみよっと。うふふふ」
モモ 「どさくさに内幕バラしてんじゃねー!」
リュウ「どっちみちハッキリしないじゃん!」
モモ 「メンドくせ。誕生日なんか、いつだっていいじゃねーか」
リュウ「わかったよ! どうせ僕に誕生日なんかないんだ!」

○ 同・全景(夜)

○ 同内・リュウの部屋(夜)
      ショボーンとなっているリュウ。
      ×    ×    ×
      廊下の3人。
キン 「落ち込ませてしもうた」
モモ 「ちっ、誕生日なんかいつだっていいのによ」
ウラ 「それも一理あるかも、ね……」
      ×    ×    ×
      ドアが開き、3人が入ってくる。
      手にはローソクに火のついたケーキやプレゼント。
リュウ「な、何?」
モモ 「今日が小僧の誕生日ってことにしたぜ」
ウラ 「いつでもないってことは、いつでもいいってことだよね」
キン 「今日でもええちゅうこっちゃ」
リュウ「もう、むちゃくちゃ言わないでよ!」
      そっぽ向くリュウに、
モモ 「お前が誕生日をやりたい日が、いつでもお前の誕生日だ。俺たちはそう決めた。お前が何と言おうとな」
モモ・ウラ・キン「♪ハッピーバースデー、トゥーユー。ハッピーバースデー、トゥーユー。ハッピーバースデー、ディア・リュウタ。ハッピーバースデー、トゥーユー」
リュウ「………」
キン 「さ、ローソク消し」
リュウ「………」
      やがて振り向いたリュウ、ローソクをふっと消した。

○ 同・全景(夜)
      明かりの消えた窓から、拍手や、
ウラの声「誕生日のお楽しみと言えばプレゼント」
リュウの声「えー、何この魚。カワイくない」
ウラの声「ブルーギルはおいしいんだよ、ブラックバスより」
モモの声「そんなのよりこの鉄パイプの破壊力をだな……」
      等々の騒ぎが聞こえてくる。
      そんなイマジンハウスを、月光が優しく包んでいる。

おわり

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# 悩めるリュウタをみんなで励まそうとするシチュエーションは悪くないものの(『イマジンあにめ1/お姉ちゃんからの手紙』の勧進帳と類似しますが)、その悩みが「設定」という、おおかたの視聴者が気にもとめないネタなのはマニアックすぎるのでボツ。
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イマジンあにめ3 没ネタ(1)

前項を書いて思い出しました。
イマジンあにめ3/リュウタロスと秋の花』には、没稿がいくつもあって……。

もともと『イマジンあにめ』の台本は、やたらボツが多いのですが、このエピソードはガンガン没にしたわりに愛着がある稿が多く、こっそりここで公開してみましょう。


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リュウタロスとこねこ

○ デンライナー内 or イマジンハウス内
モモ 「あー、さっぱりした。いいお湯だったぜ」
      と戻ってくるモモ。
   「にゃあ」
      と、かがみ込んでいるリュウの背中が鳴いた。
モモ 「小僧、お前次入るか?」
リュウ「僕まだいいよ」
モモ 「そうかい。って、わかってんだよ!」
      と、リュウを引き起こした。
      ×    ×    ×
子猫 「にゃー」
      段ボール箱の中で鳴いている子猫。
      を、モモたちが囲んでいる。
モモ 「やっぱりな……」
キン 「性懲りもなく、また拾ってきおったんか」
ウラ 「どうしようかね、これ……」
リュウ「育てるもん。名前もつけたんだもん。名前は───」
3人 「あー!!」
      と耳をふさぐ3人。
キン 「聞かへん聞かへん。絶対聞かへんで」
ウラ 「うっかり名前聞いて、情が移ろうもんなら酷い目に遭うからねえ」
リュウ「酷い目になんか遭わないよ!」
ウラ 「ここではネコは飼えないの。オーナーとの約束なんだから。『例外は認められません』って言われたでしょ」
モモ 「カメやクマ飼ってるだけでも例外過ぎだってんだよ」
ウラ 「先輩はだまってて。ここが正念場なんだから。いいかいリュウタ───」
リュウ「カメちゃんこそ黙ってよ! こないだもウソばっかりだったじゃないか」

○ 近過去・リュウの回想のウラ
ウラ 「いいかいリュウタ。子猫に見えても、この子はトラの子なの。いずれ大きくなって、リュウタを食べちゃうよ」
リュウ「そんなのイヤだー」
ウラ 「それに、アマゾンのジャングルではぐれたお母さんトラが、この子を探してるんだよ」
リュウ「えー、可愛そう……」
ウラ 「いますぐお母さんトラに返してあげようね」

○ 元の場所
キン 「また適当なことを……」
リュウ「もうカメちゃんには騙されないからね!」
ウラ 「わかったよ。ホントのことを言うよ」
      と、居ずまいを正すウラ。
ウラ 「ここでネコは飼えない。こそこそ飼っても、この子は幸せになれない。わかるよね?」
リュウ「うん……」
ウラ 「じゃあどうする?」
リュウ「お外に放してあげようか?」
ウラ 「ダメだよリュウタ。外にはライオンさんとかトラさんがいっぱいいて、子猫はすぐに食べられちゃうよ」
リュウ「そんなのイヤだ!」
ウラ 「しかるべき人に守ってもらわなくちゃ。いまから連絡するよ。ステキな場所に連れて行ってもらえるからね」
リュウ「うん……」

○ 外
      ネコの箱を抱えて待っているリュウと一同。
モモ 「(小声)カメ公、いくらお前でもあんなウソはよ……」
ウラ 「(小声)他にどう言えばいいのさ」
      保健所の車が到着し、シルエットの人たちが降り立つ。
保健所の人の声「回収するのはこのネコですか?」
ウラ 「お願いします」
リュウ「ううん、僕もだよ!」
      と、箱を抱きかかえた。
キン 「リュウタ!」
リュウ「ステキな場所に行けるんでしょ。僕もいっしょに行ってもいいよね! 答えは聞かないんだから! がるるー」
保健所の人の声「この猛獣も回収ですか?」
ウラ 「これは動物じゃないです! 動物じゃないんですってば!」

○ 保健所の車が行ってしまう
      見送るモモたち。
      リュウは猫の箱を抱えている。
モモ 「どうすんだよ、これから」
キン 「正攻法で行くしかないやろ」

○ 電柱
      里親募集の張り紙が貼られる。
      ×    ×    ×
      時間経過。
      張り紙が古びている。

○ デンライナー or イマジンハウス
子猫 「にゃー」
リュウ「だよねー。うふふー」
      と、じゃれているリュウと子猫。
      子猫は、ちょっとだけ成長している。
      呆れて見ているモモたち。
モモ 「里親なんか見つかるわけねーじゃねーかよ」
キン 「あの猛獣がもれなく付いてくるんやったら始末に負えんわ」
モモ 「覚悟決めて、俺たちで飼うか? タイガージェットをよ」
ウラ 「タイガージェット? まさか先輩、情が移って名前付けちゃったんじゃないだろうね、フランソワーズに」
キン 「お前ら、俺の力石を何ちゅう呼び方しとんねん」
      リュウが飛び込んでくる。
リュウ「みんな、変な名前付けないでよ。僕とっくに名前付けてるんだから!」
モモ 「小僧は何てつけたんだよ」
リュウ「それはね……名前はね……うふふ、秘密」
モモ 「何だよそれ!」
キン 「今さら隠さんでもええやんか!」
ウラ 「まさか『靖子にゃん』とかつけてないよね。冒涜だからね、それ!」
リュウ「秘密!」
      と、4人の騒ぎはつづく。
子猫 「にゃー」

おわり

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# 全体がほのぼのテイストだけに、一部リアルを前提にしているのが痛い(のでボツ)。
# 次のエントリも別パターンの没稿です。
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MM9

『MM9』放送終わった。
面白かった!
科特隊パトレイバー風味……新味はないが、たいへん良質。

つくばの施設内でWヒロインが奮闘する2話。
巨大怪獣 VS 自衛隊を見守る5話。
コスプレ居酒屋で飲み明かす10話。
ドキュメンタリーの取材が入る9話の「バタバタさん」は怖かった。
ゲストもレベル高い。自衛隊員の平山浩行は渋いし、12話の橋本愛の芝居は鳥肌モノ。


そういえば。
イマジンあにめ3』32話『リュウタロスと秋の花』は、ちょっとだけ『MM9』オマージュだったりもする。
『3』はなぜか全体的に特撮ネタ・アニメネタ満載。スピンオフにはスピンオフなりの開き直り方がある……と居直るまで、1年半考えてしまいました。お待ちになっていた方にはごめんなさい。そのかわり、1年半がかりの開き直りをお見せできます。
10月21日発売。
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